私は横浜の伊勢佐木長者町に住んでいた。篠原先生の診療所は埼玉県の鳩山ニュウタウン。車で毎日通った。資格もないのに検査の検体を預かったり、オシッコの検査をしたり、水飲み場で患者さんのお相手をしたり、1日中忙しい毎日だった。歯科もあったので、無資格で手伝っていた。
水治療に必要な電解水生成器は受付の裏にあり、水飲み場からでも1リットルのプラスティックコップに汲んで飲めるようになっていた。それとは別に、一時期は、誰でも自由に汲んでいけるように、診療所の裏口にも取り付け「ご自由にどうぞ」と張り紙していた。患者さんにアルカリイオン水を勧めるし裏口には電解水生成器が設置してある。誰が見ても普通の病院ではない。
だから、診療所の看板がかかっているにも関わらず、地元の患者さんは滅多に来ない。患者さんの多くは警察病院で先生が治ったのを知って、もしかすると自分も治るかも知れないと希望を抱いていた人たちだった。病院や薬では病気は治せない。治すのは自分だ。しかし、世界の常識で病気は医者や薬が治す。だから、警察病院で病気が治らなかった患者が、わざわざ山の中までやってきた。夜間診療で、先生は通常では警察病院勤務だった。
糖尿の重い男性は来院時にアルカリイオン水をコップ3杯3リットル、肺がんの警察関係者はコップ4杯4リットル。出来るだけ沢山飲む。
簡単に飲めないので、家庭用の小さなサウナに入って汗をかいて飲む。そう、サウナ付きの水飲み場だ。
アトピーや皮膚炎の患者には、酸性水の業務用を設置し、カラダに掛けたり噴霧したりする準備をした。強電解水が作れる機器も用意した。その際必要な保湿液も新たに用意した。
患者は皆短期間でアルカリイオン水、酸性イオン水、強酸性水で治っていく。
警察病院内でも入院患者の間で噂が広まり、ウイルソン病の難病患者が治したいといってやってきた。
少しずつ地元の人も顔を出し始めた。良く治ると評判が立ち始めた。
ところが、何故アルカリイオン水を飲んで病気が治るのか、理由が分からない。
「先生、このままでは宗教団体“お水教”ですね。」
アルカリイオン水を測定・分析して、データをとろう!
宗教団体“お水教”
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